「この事業の先行きが見えない…」「競合との差別化ができていない…」
こんな悩みを抱える経営者は少なくありません。
正しい事業戦略を立てられるかどうかが、企業の成長を大きく左右します。
これらの本を読むことで、自社の強みを活かした競争優位性のある戦略が立てられるようになります。
本記事では、1,000社以上の事業戦略を支援してきた専門家が、初心者向けの入門書から古典的名著まで、事業戦略を効果的に学べる厳選9冊をご紹介します。
事業戦略を本で学ぶのにおすすめな書籍3選!
事業戦略を体系的に学ぶための基本書として、以下の3冊が特におすすめです。
事業戦略を立てるために必要な考え方や基礎的な知識を身につけるために最適な書籍です。
【事業戦略のおすすめ本】
- 人を動かす
- マネジメントと原則
- 良い戦略 悪い戦略
①人を動かす
項目 | 内容 |
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書籍名 | 人を動かす |
著者 | デール・カーネギー |
価格 | 1,650円(税込) |
学べる内容 | 人間関係の原則、人を説得する技術、リーダーシップの基本 |
おすすめな人 | チームを率いる立場の人 戦略実行のための人材マネジメントを学びたい人 コミュニケーション力を高めたい人 |
「人を動かす」は、1936年の初版以来、世界中で7000万部以上を売り上げたベストセラーです。
事業戦略において最も重要な要素の一つは「人」であり、どんなに優れた戦略も、それを実行する人材がいなければ絵に描いた餅になりかねません。
本書では、人間関係を円滑にする3つの原則、人を説得する12の方法、人を変える9つの方法など、実践的な人間関係の知恵が豊富に紹介されています。
特に「批判せず、非難せず、不平を言わない」「誠実な感謝の気持ちを表す」「相手の立場に立って考える」といった基本原則は、戦略実行のためのチームビルディングに不可欠な要素です。
事例やエピソードが豊富で読みやすく、古典でありながら今日のビジネスにも十分適用できる普遍的な内容となっています。
戦略の実行面で躓くことが多い経営者や管理職にとって、戦略を人が主体的に動く力に変換するためのヒントが満載です。
どんなに素晴らしい戦略も、それを実行する人のモチベーションがなければ成功しません。
『人を動かす』は、戦略実行の要となる人材マネジメントの基本を教えてくれる名著です。
②マネジメント基礎と原則
項目 | 内容 |
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書籍名 | マネジメント基礎と原則 |
著者 | ピーター・F・ドラッカー |
価格 | 3,080円(税込) |
学べる内容 | マネジメントの基本概念、目標設定、意思決定、組織作りの原則 |
おすすめな人 | 経営者、管理職戦略実行のためのマネジメント手法を学びたい人 組織全体の成果を最大化したい人 |
「マネジメントの原則」は、現代経営学の父と呼ばれるピーター・ドラッカーによる、マネジメントの本質を説いた名著です。
事業戦略の実行において、マネジメントは欠かせない要素であり、本書はマネジメントの基本原則を体系的に解説しています。
特に優れているのは、「成果をあげるための意思決定」の考え方です。
目標とすべき成果を明確にし、そこから逆算して具体的な行動計画を立てる「目標管理」の手法は、戦略の具体的な実行計画を立てる際に非常に役立ちます。
また、「自分の強みを活かす」「時間を管理する」「組織の目的と使命を明確にする」といった原則は、戦略を効果的に実行するための組織作りの指針となります。
理論的でありながらも実践的な内容で、特に中小企業の経営者や新規事業責任者にとって、戦略思考とマネジメント実践を結びつける重要な視点を提供してくれます。
戦略の「計画」と「実行」の両面を強化したい方にぜひ読んでいただきたい一冊です。
戦略立案は始まりに過ぎず、その実行こそが成果を生み出します。
ドラッカーの『マネジメントの原則』は、戦略を確実に実行するためのマネジメントの本質を教えてくれます。
③良い戦略 悪い戦略
項目 | 内容 |
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書籍名 | 良い戦略 悪い戦略 |
著者 | リチャード・P・ルメルト |
価格 | 2,750円(税込) |
学べる内容 | 戦略の本質、良い戦略の条件、戦略立案の落とし穴 |
おすすめな人 | ・経営者、事業責任者 ・戦略の質を高めたい人 ・実効性のある戦略立案を学びたい人 |
「良い戦略、悪い戦略」は、UCLA経営大学院教授リチャード・ルメルトによる、戦略の本質を鋭く説いた名著です。
本書の最大の特徴は、世の中に蔓延する「悪い戦略」の特徴を明らかにし、それと対比する形で「良い戦略」の条件を示している点です。
著者によれば、「悪い戦略」とは、
①問題を直視しない美辞麗句
②具体的な指針がない目標の羅列
③願望の表明
④表面的な分析に基づく施策
といった特徴を持ちます。
一方、「良い戦略」は、
①核心的課題の特定
②その課題に対処するための指針
③一貫性のある行動
という3つの要素で構成されます。
特に優れているのは、「戦略の核心は選択にある」という視点です。
何をするかだけでなく、何をしないかを明確にすることの重要性が強調されています。
また、「診断」「基本方針」「一貫した行動」という良い戦略の3要素は、実務での戦略立案の指針として非常に役立ちます。
本書は理論書でありながら、アップル、ウォルマート、IBMなど多くの企業事例を通じて、戦略の成功と失敗の本質を具体的に解説しています。
戦略を立案する立場にある経営者や事業責任者にとって、自社の戦略の質を見直すための重要な視点を提供してくれる一冊です。
多くの企業が陥りがちな『悪い戦略』の罠から抜け出し、真に効果的な『良い戦略』を立案するための本質的な指針を示してくれる名著です。
事業戦略のおすすめ本【初心者向け】
事業初心者におすすめしたいのが、以下の3冊です。
こちらは、書籍は、初心者に向けに基礎概念や戦略を考えるために必要なマインドや実体験に基づいて体系的に解説した書籍になります。
【初心者向け!事業戦略学習におすすめな本】
- 戦略の教科書
- 経営12ヶ条経営者として貫くべきこと
- ビジネスモデル・ジェネレーション
①戦略の教科書
項目 | 内容 |
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書籍名 | 戦略の教科書 |
著者 | 伊藤良二 |
価格 | 2,420円(税込) |
学べる内容 | 戦略立案の基本的な考え方とプロセス、実践的なフレームワーク |
おすすめな人 | 事業戦略の基礎から学びたい人 具体的な戦略立案プロセスを知りたい人 実務に直結する戦略思考を身につけたい人 |
「戦略の教科書」は、その名の通り戦略立案の基礎から応用までを体系的に解説した入門書の決定版です。
著者の伊藤良二氏は長年にわたりコンサルティングの第一線で活躍してきた実務家であり、理論と実践のバランスが取れた内容となっています。
特に優れているのは、「環境分析」→「戦略オプションの検討」→「実行計画の策定」という流れを具体的なステップで解説している点です。
各ステップで活用できるフレームワークも豊富に紹介されており、実務での応用がしやすくなっています。
また、戦略立案で陥りがちな失敗例や、効果的な戦略会議の進め方なども解説されており、実際の現場で戦略を推進する担当者にとって役立つ知見が詰まっています。
戦略に関する専門用語も平易に解説されており、初心者でも無理なく読み進められる構成になっています。
初めて事業戦略に携わる方にまず読んでいただきたい一冊です。
理論だけでなく、現場での実践方法まで丁寧に解説されているため、すぐに活用できる内容になっています。
②経営12カ条 経営者として貫くべきこと
項目 | 内容 |
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書籍名 | 経営12カ条 経営者として貫くべきこと |
著者 | 稲盛和夫 |
価格 | 1,760円(税込) |
学べる内容 | 経営哲学、経営者としての心構え、事業成功の原則 |
おすすめな人 | ・経営者、創業者 事業の本質を見極めたい人 経営理念から戦略を考えたい人 |
「経営12カ条」は、京セラとKDDI(第二電電)を創業し、JALの再建にも携わった稲盛和夫氏による経営哲学の集大成です。
単なる経営テクニックではなく、経営者として「何を大切にすべきか」という根本的な価値観と判断基準を示した名著です。
本書では、「経営は強い意志で決まる」「売上最大、経費最小」「素早い判断、即実行」など12の原則が示されており、これらは事業戦略の立案と実行の両面において重要な指針となります。
特に「事業の成功は売上を最大に、経費を最小にすることにつきる」という原則は、あらゆる事業戦略の基本となる考え方です。
稲盛氏独自の「アメーバ経営」や「フィロソフィ」の考え方も紹介されており、数字だけでなく「人間としての心」を大切にする経営哲学が随所に表れています。
事業戦略を単なる数字合わせではなく、「何のために事業を行うのか」という本質から考える視点を与えてくれます。
特に、創業者や経営者にとって、自社の経営理念や事業の根本的な目的を見つめ直す上で貴重な示唆に富んだ内容です。
戦略の前提となる経営哲学を固めたい方に必読の一冊といえるでしょう。
戦略の成功には、確固たる経営哲学と揺るがない信念が不可欠です。
稲盛氏の『経営12カ条』は、事業を成功に導くための本質的な原則を教えてくれます。
③ビジネスモデル・ジェネレーション
項目 | 内容 |
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書籍名 | ビジネスモデル・ジェネレーション |
著者 | アレックス・オスターワルダー、イヴ・ピニュール |
価格 | 2,750円(税込) |
学べる内容 | ビジネスモデルキャンバスを使った事業モデルの可視化・設計方法 |
おすすめな人 | 新規事業を立ち上げたい人 既存事業のビジネスモデルを再構築したい人 ビジュアル思考で戦略を考えたい人 |
「ビジネスモデル・ジェネレーション」は、ビジネスモデルを9つの要素で整理・可視化する「ビジネスモデルキャンバス」を提唱した実践的な書籍です。
顧客セグメント、価値提案、チャネル、顧客関係、収益の流れ、主要資源、主要活動、パートナーシップ、コスト構造という9つの要素を一枚のキャンバスに整理することで、事業の全体像を把握できます。
本書の特徴は、理論だけでなく実践的なワークショップ形式の手法も紹介している点です。
ビジュアル豊富で直感的に理解しやすく、チームでの戦略検討にも最適です。
既存事業の問題点発見や、新規事業の構想にも役立つツールとして、多くの企業で活用されています。
事業戦略を単なる抽象的な概念ではなく、具体的なビジネスモデルとして落とし込む方法を学べる点が大きな魅力です。
ビジネスモデルキャンバスは、私たちが顧客支援で最もよく活用するツールの一つです。
抽象的になりがちな戦略を、具体的なビジネスの仕組みとして考えることができます。
事業戦略のおすすめ本【名著】
事業戦略の古典的名著として、以下の3冊は必読書です。
以下の書籍は経営論の基礎を築いた書籍でもあり、現代でも戦略を考えるためには必要な原則を学ぶことができます。
これから、事業戦略を考えていく方は一度は読んでおくべき書籍です。
【名著!事業戦略学習におすすめの本】
- ブルー・オーシャン戦略
- 競争の戦略
- 戦略のサファリ
①ブルー・オーシャン戦略
項目 | 内容 |
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書籍名 | ブルー・オーシャン戦略 |
著者 | W・チャン・キム、レネ・モボルニュ |
価格 | 2,420円(税込) |
学べる内容 | 競争のない市場(ブルー・オーシャン)を創造するための戦略立案法 |
おすすめな人 | ・新たな市場を創造したい人 ・競争から脱却する戦略を考えたい人 ・価値イノベーションを起こしたい人 |
「ブルー・オーシャン戦略」は、既存の競争市場(レッド・オーシャン)ではなく、競争のない新たな市場(ブルー・オーシャン)を創造するための戦略理論を提唱した名著です。
従来の競争戦略論とは一線を画し、「競争しないための戦略」を体系的に解説しています。
本書の中核をなすのは、「戦略キャンバス」と「4つのアクション・フレームワーク(取り除く、減らす、増やす、付け加える)」です。
これらのツールを使うことで、業界の常識を打ち破り、新たな価値曲線を描くことができます。
シルク・ドゥ・ソレイユ、サウスウエスト航空、[yellow tail]など、実際にブルー・オーシャン戦略を実現した企業事例も豊富に紹介されており、理論の実践的な適用方法が具体的にイメージできます。
単なる差別化や低コスト化を超えた「価値イノベーション」の考え方は、激しい競争環境にある現代のビジネスにおいて、新たな打開策を見出すための重要な視点を提供してくれます。
ブルー・オーシャン戦略は、競争から抜け出し、独自の市場を創造するための具体的な方法論を示してくれます。
特に新規事業開発や事業転換を考えている方に参考になる内容です。
②競争の戦略
項目 | 内容 |
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書籍名 | 競争の戦略 |
著者 | マイケル・E・ポーター |
価格 | 3,520円(税込) |
学べる内容 | 業界構造分析(ファイブフォース分析)と基本的な競争戦略 |
おすすめな人 | ・競争戦略の古典を学びたい人 ・業界分析の方法を知りたい人 ・体系的な戦略論を学びたい人 |
「競争の戦略」は、マイケル・ポーターによる戦略論の古典中の古典です。
1980年の初版から40年以上経った今でも色あせない内容で、特に「ファイブフォース分析」は今日でも最も広く使われる業界分析のフレームワークになっています。
本書では、業界の競争構造を5つの力(新規参入の脅威、代替品の脅威、買い手の交渉力、売り手の交渉力、既存競合との敵対関係)で分析する手法と、その分析に基づいた3つの基本戦略(コストリーダーシップ、差別化、集中)を提示しています。
特に優れているのは、単なる理論にとどまらず、各業界の特性に応じた戦略立案の指針を示している点です。
成熟産業、新興産業、断片化された産業など、様々な業界状況に応じた戦略オプションが詳細に解説されており、実務での応用可能性が高い内容になっています。
初めて読むには難解な部分もありますが、戦略に関わる人なら一度は読んでおくべき基本文献です。
③戦略サファリ
項目 | 内容 |
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書籍名 | 戦略サファリ |
著者 | ヘンリー・ミンツバーグ |
価格 | 3,080円(税込) |
学べる内容 | 戦略論の10学派を体系的に解説、多角的な戦略思考 |
おすすめな人 | ・戦略論の全体像を把握したい人 ・様々な戦略アプローチを比較検討したい人 ・戦略思考を深めたいリーダー |
「戦略サファリ」は、戦略論の泰斗ヘンリー・ミンツバーグによる、戦略理論を体系的に整理した名著です。
デザイン学派、計画学派、ポジショニング学派、企業家学派など、10の異なる学派の視点から戦略を捉え、それぞれの強みと限界を明らかにしています。
初版から20年以上経った第2版では、デジタル時代の戦略立案にも触れるなど、現代的な視点も加わっています。
特に優れているのは、「戦略とは何か」という根本的な問いに対して、多角的な答えを提示している点です。
この本の真価は、単一の戦略理論に依存せず、状況に応じて異なるアプローチを選択する柔軟な戦略思考を養える点にあります。
理論書でありながら、豊富な事例と明快な文体で、実務家にも読みやすい内容になっています。
戦略立案に携わるリーダーにとって、まさに「地図」のような役割を果たす一冊です。
戦略に唯一の正解はなく、様々な視点から考えることが重要です。
この本は、そんな戦略思考の多様性を教えてくれる名著です。
事業戦略の本以外で学ぶならコレ!
本記事では、事業戦略を学ぶためのおすすめ本を9冊紹介しました。
初心者向けの入門書から古典的名著まで、それぞれの特徴や学べる内容を解説しています。
事業戦略は単に本を読むだけでなく、実践を通して身につけていくものです。
ぜひこれらの本を参考にしながら、自社の状況に合わせた戦略立案に取り組んでみてください。
また、1,000社以上の事業戦略を支援してきた専門家が運営する事業戦略スクール「知足」では、本記事で紹介した戦略理論を実践に落とし込むための個別相談会を無料で実施していますので、ぜひご活用ください。